にほんブログ村 旅行ブログ ヨーロッパ旅行へ Somewhere but Here: オレンジの実のなる頃―バレンシア旅行記(1)

Tuesday 2 December 2008

オレンジの実のなる頃―バレンシア旅行記(1)


11月、バルセロナから地中海沿いに延びるAP-7号高速道路を南下する。



オリーブ畑が果てしなく続くタラゴナ県を通りすぎて、バレンシア県にはいったところで地上の色は一変する。白くくすんだオリーブの緑色にかわって、黄色に近いフレッシュな緑が地上を覆う。スピードを落としてそれらの木をよく見ると、オレンジの実がなっている樹木であることがわかる。



そう、この地域はバレンシア・オレンジの故郷なのだ。

我々の最初の目的は、バレンシア郊外のアルボラヤ(Alboraya)という町にあるスペイン名産のリアドロという陶器工場に行くことである。もっとも工場見学よりもアウトレットでリアドロを買うことが主体ではあるが。
さて、ナヴィゲーションに入力していた住所が違っていたために、アルボラヤの町の中で我々は迷子になってしまう。そこでリアドロの工場へ電話を入れて確認すると、やはりナビに入力していた住所が違っていた。

アルボヤラの町の一角
電話口で彼は、「とにかくアルボラヤの町の中なら、だれに聞いてもここがわかるから、とにかく町の人に聞くことだね」といわれた。
ところが、実際に道行く人に「リアドロの工場はどこ?」と聞いてみると「そんなの知らない」という答えが返ってくる。

ちょっと、これには僕も困惑した。

そこで、今度はこういう風に聞いてみた。「ジャドロの工場はどこ?」
すると「ああ、LLADROね。それなら、この道をまっすぐにいって、二つ目を・・・」と縦板み水を流すように答えが返ってきた。

ここでちょっと解説するが、スペイン語でLLという文字は口を思いっきり「い」の状態に広げて「リ」と発音する。ところがこれは日本語の発音にないために日本人にはちょっと難儀する言葉である。むしろ日本語で「ジャ」と発音した方がスペイン人にはわかりやすいのだ。


スペイン語でこういう例をあげると、Cを現地人は厳密には英語のTHの発音をするが、日本人がSと発音しても意味が通じるというものもある。日本人がRとLの発音の区別をつけることができないように、外国人は外国人で、自分の使う言語にそういう盲点を持っているものだ。これもスペイン語であるが、かれらは日本語の「ず」と「す」の発音の区別はできない。つまり「すずしい」と「ずうずうしい」の区別がつきにくいように。無理して正しい発音に近づくように練習するくらいなら、こういう簡便法を覚えるほうが効果的だと思っている。我々はいくら発音の練習をしてもネイティヴとは同じにはなれないんだし、そういうところで労力を費やすのは時間の無駄だと思っている。

2008年11月15日

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