遥かなるトスカーナ、静かなるコートダジュール (2)
カーナビの指示に従って、AP-7号線をひたすら東へと進む。
今日の宿泊地はニース(Nice)。途中エクサンプロヴァンス(Aix-en-provance)にあるサン・ビクトール山(Montagne Sainte-Victoire)に立ち寄れればラッキーかなという計画である。
朝のこんな早い時間に高速道路を走っている車は、だいたい貨物輸送用のトラックである。一般車はほとんど走っていない。
いくら翌日から復活祭休日で渋滞が予想されるかららといって、こんな時間から移動を開始するのは日本人くらいのものなのだろう。ひょっとして我が家だけかもしれない。
欧州の高速道路にはほとんど街灯らしいものはないため、日本人の目には異様に暗く感じる。車のヘッドランプだけがたよりである。小雨がフロントガラスにあたり、微生物のような動きをとりながら後方へと流れていく。
車を運転する人はわかると思うが、ヘッドランプだけがたよりだと視界が非常に狭くなる。しかもスピードがでているからなおさらだ。 こういう状態でのドライブは非常に危険だし、疲労を伴うものだ。
もともと運転が苦手な私は当然のこと、運転が好きな家内ですら短時間で疲労を感じているようだ。そこでわれわれは1時間から1時間半くらいのインターバルで運転を交代し、それぞれが助手席で仮眠をとりながら東に向かい、ひたすら夜明けを待つ。
これじゃまるで長距離トラックドライバーだな。
スペイン国境を超えたところで小雨はやみ、さらにモンペリエ(Montpellier)を過ぎたあたりで辺りが徐々に明るくなっていく。
フランスの空はその日一日が雲一点のない青空であることを約束していた。
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