遥かなるトスカーナ、静かなるコートダジュール (8)
レストランを探すことについて
せっかくコートダジュールに来たのだから、海の幸をフランス料理で味わおうとするのが人情。我々も夕食のレストランを探しに再び街に繰り出す。
別に私はグルメでもないけれど、レストランを探すときには、いくつかのポイントがある。
それ以来、食事処をあらかじめに調べる場合は、絶対に日本語のWEBは覗かないことに決めている。
だいたい素人が一回いっただけのところを「おいしい」とレポートしたくらいで本当においしいことを期待する方がどうかしているのだ。私がバカだった。決して一、二辺旅行にいっただけの東洋人の戯言に耳を傾けてはいけないのだ。
誰かにお勧めを聞くのであれば、地元の人に限る。そりゃ地元の人に聞けば、地元の人の舌にあった店を紹介してくるけど、それはそれでいいと思っている。何も異国の地までいって日本人の舌にあうようなものを選ぶ必要はない、そんなものなら銀座に星の数ほどある。
ということでとあるカジュアルなレストランに入る。
私はムール貝の蒸したものと、プロヴァンス風リブロース(私はご当地風という言葉に弱いのだ)、家内はグリーンサラダとエスカルゴ、それにペッパーソースで煮込んだイカを注文し、コート・ド・プロヴァンスと呼ばれるロゼワインを頼む。
料理もさることながら、ウェイターのサービスの質の高さ(平均値として)では世界中でフランスが群を抜いていると私は密かに思っている。
彼らは常に店全体に注意を向けて次に自分が何をすべきかを即決し行動する。しかしそこには、日本人のように「忙しさ」をにじみだした神経質なところはなく、あくまでもスマイルですべてをこなす。このときも私が料理の写真をとっていたら「ふたりがおそろいのところを撮ってあげましょうか?」とオファーしてきた。よく気がきくものだと感心することしきりである。
我々はメインディッシュの後、コーヒーもデザートも食べないことを常としている。今回もその調子で支払をすませて、ホテルに戻る。一日目が無事終了する。
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