にほんブログ村 旅行ブログ ヨーロッパ旅行へ Somewhere but Here: 遥かなるトスカーナ、静かなるコートダジュール (12)

Wednesday 3 October 2007

遥かなるトスカーナ、静かなるコートダジュール (12)

ピサの城壁と不法移民問題




A12という高速道路をピサで下りて、ピサの市街に向かう。有名な斜塔が見えてくる。ここでだいたい昼の2時ぐらいだ。適当なところで駐車場を見つけて、いざピサを見学にいく。

ピサは西洋の典型的な城塞都市である。城砦が街と外部を強烈に隔てているのだ。最も現在ではどこも城壁を行政区分の町と一致させているところはなく、城砦の中が旧市街という位置づけになっている。
ピサも城砦の中は観光地として利用されており、城壁の外側には土産物屋やコーヒーショップが立ち並んでいる。

それと最近バルセロナでもよく見かけるアフリカからの不法移民による偽物コピー販売の風景がここでも見られた。



イタリアはスペインと同様にアフリカ大陸に近いことから不法移民がここ数年後をたたない。暗躍する悪徳業者が金をとって移民のアレンジをし、今にも壊れそうなボートに制限重量目いっぱいの人間をのせて、対岸のアフリカからこぎ出させる。運が良ければ、ヨーロッパにたどり着くし、悪ければボートごと沈没だ。
一旦、ヨーロッパにたどり着いた人々は、みんなパスポートなどの書類を持っていないので、イタリア政府もスペイン政府もどこかの国へ強制送還するわけにもいかなくなる。


だから彼らを町に放り出すだけなのだ。


こういう人々を使って、違法コピー商品を売ることを商売をしている人間がいるというわけだ。
スペインでは依然こういう仕事は、アラブ系あるいはルーマニア系の人間がしていたが、最近はほとんどアフリカ系黒人がやっている。

売るものは、カバン、ベルト、サングラス、傘、DVD,CDなどさまざまだ。

スペインとイタリアで違っているのは、イタリアではこういう商売をしている人間を啓発が摘発しないことである。スペインでは警察がきたらいつでも簡単に逃げれるように風呂敷の四隅を紐でつなげて、ぎゅっと引けばリュックに早変わりするが、イタリアではそんな小細工もなくのんびりと商売をしているようだった。

EU内ではアフリカからの不法移民を受け入れているとしてスペインとイタリアを非難する意見が多いが、こればっかりは解決はできないんではないかと思ってしまう。だれだって好きでその貧しい国にうまれたんじゃないし、だれだって豊かな国へ移動したいんだからね。
不法移民というけれど、何人たりとも生まれてくる場所に選択権を持っていなかったんだという前提にたった問題解決はないものなのだろうか。

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