にほんブログ村 旅行ブログ ヨーロッパ旅行へ Somewhere but Here: 遥かなるトスカーナ、静かなるコートダジュール (15)

Thursday 11 October 2007

遥かなるトスカーナ、静かなるコートダジュール (15)

イタリア・ドライブ事情

ピサの街を抜けるとトスカーナの農村風景が広がる。雑木林は新緑の葉をつけ、小麦畑は白い花をつける。畑の畔には野生の菜の花が黄色い花をつける。





春独特の不透明な大気のはるか遠くにはやわらかな青いトーンでトスカーナの山々(Tosco―Emiliano)が広がる。そして時折みかける糸杉の深い緑が風景にアクセントを添える。そんな中、我々はE76号高速道路を東へと向かう。




ピサを出て小一時間でフィレンツェに到着する。






ある程度予想はしていたことではあるが、市内に入ると道路事情は極端に悪くなる。アメリカと違ってモータリゼーションが始まる前に建設された都市では常に道路と駐車の問題がついてまわる。フィレンツェも多聞にもれず駐車の問題を抱えている。
そして悪名高いイタリアのドライバーたち。我々はバルセロナである程度訓練されているが、日本からいきなりここにきて車を運転するのは無謀だと思う。
彼らは基本的に車線変更、右折左折でウィンカーはださないし、ロータリーへの入り方、出方は人によってさまざまだ。優先順位なんかもないんじゃないかな。

昔アメリカである人がジョークで「イタリアの道路ではガッツのある奴が優先される」と言っていたけど、まんざら嘘でもないみたいだ。さらに左折専用レーン(日本でいうところの右折専用レーンにあたる)に止まっていたかと思うと信号が青になると直進するなんてことを一般車だけでなくタクシーまでもがやる。
まさにカオス状態なのだが、不思議と彼らはクラクションをならさない。
彼らはドライバーの顔、あるいはそういうものがあるとすればだが、車の顔を見ながら運転をしている。
思うに、ラテンの人は、あまり信号・車線・ウィンカーといった非人間的なものを根本的に信用していないんじゃないかな。歩行者だって赤で道路を渡るときがあるけど、青で渡らないときがあるくらいだし。
だから非人間的なもので世の中の秩序を作ろうとするドイツ人や日本人にとってこの状態はただの混乱としか目に映らないんじゃないかと思う。
身体障害者用のパーキングエリアに平気で止める日本人が必ずしも交通ルールを順守する優秀な民族とは私は思っていない。ヨーロッパでそれをする人はまずいない。


 さて、無秩序なドライバーに加えて、古くて狭い旧市街の道路にはメチャクチャな駐車の仕方をしている車がいる。あちこち怖い思いをしながらもなんとか旧市街中心部にあるホテルにたどり着く。明日は一日車をつかわずにゆっくりフィレンツェを観光する腹積もりなのでこのホテルには二泊することになる。

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