にほんブログ村 旅行ブログ ヨーロッパ旅行へ Somewhere but Here: 遥かなるトスカーナ、静かなるコートダジュール (32)

Monday 29 October 2007

遥かなるトスカーナ、静かなるコートダジュール (32)

さて、パン屋探しに執心していた我々もやっとここで周りを眺める余裕がでてくる。
改めてみると港には、私有のものと思われるゴージャスなヨットが白いマストを空に突き上げて並んでいる。うん、世の中には金持ちはたくさんいるんだな。




そしてその周りの道路には、これまたパリのモンマルトルの丘以上と思われるほどの数の絵描きたちが自分の絵を売っている。なるほど、たぶんここは絵描きにとっては特別な場所なのだろう。






海岸通りのとある家の壁に街の案内看板があった。それによると街を見下ろせる城が近くにあるようだ。そこで我々は案内看板の地図を脳裏に焼き付けて、ゆるやかな坂道になっている小路に入り込む。意外とすぐに城にたどりつくことができた。



一人2.5ユーロの入場料を払って城の中にはいる。観光地としては破格に安い入場料である。はいると目の前に孔雀が壁の上にとまっている。野生のものなのか、飼っているものなのかはわからないが、檻に入っていない孔雀をみるというのは稀である。我々以外の観光客もデジカメを孔雀に向けていた。


さらにすすむともう一羽孔雀がいる。やはりデジカメを向けてシャッターを切る。
すると突然、その孔雀が鳴き出す。するとそれに呼応するかのようなさっきの孔雀も鳴き出す。ところがこの鳴き声ときたら、やたら口うるさい近所のおばさんの首を絞めたときのような(実際にそんなことをしたことはない。誤解しないように)、この世のものとは思えないくらいおぞましく不吉な声である。もう二度と聞きたくないような声である。



やはり天は二物を与えないのである。



さて、海が見える城壁に行きつく。





無数のヨットの白い帆が波頭のたたないおだやかなサントロペ湾の深い群青色にアクセントを加えていく。左手に目を移すと暗緑色の松の木の間からはサントロペの黄土色の壁と赤茶色の屋根でできた街並み、そしてその向こうには白いヨットのマストと蒼い港が見える。そして、この雰囲気をぶち壊すかのようにまたしても孔雀の鳴き声・・・。




城壁を一周して街に下りてくる。ある街角で生臭い匂いがしてきたと思ったら、小さな魚市場であった。日本では魚はスーパーマーケットで買うものだろうが、南仏やスペインでは昔ながらの魚市場が健在で、そこで魚を丸なり一匹買うスタイルが今でも根強い。


観光客が生の魚を買っていくとは思えないので、ここは、地元の人向けの市場なのだろう。

市場の横にあるワインショップに立ち寄り、三本ほどロゼワインを買う。この地方でロゼワインが有名なのかどうかは知らないが、昨晩のレストランのワインリストにもやたらとロゼワインが占めていたし、この店でもロゼワインが前面に押し出していて陳列しているので、ほぼ間違いないと思う。店のおばさんとあれやこれや会話をして楽しいひと時を過ごす。

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