遥かなるトスカーナ、静かなるコートダジュール (18)
3日目:土曜日
朝6時半に起きて、我々は7時15分にはホテルを出る。
今日は世界的に有名なウフィツィ美術館にいく予定。
ほとんど人気のない通りを歩いていく。
日中は20度を超える陽気だが朝はさすがに冷え込む。
昨日は露店と買い物客でごった返していたメディチ家の教会、ロレンツォメディチ図書館の前の広場はひっそりとして露店の白い布屋根が風に吹かれている。ここを通り過ぎてドゥオモの前の広場にも掃除夫以外の人影はない。
ロレンツォメディチ図書館前
夜中に水洗いでもしたのだろうか、不自然に光を反射させる石畳の道をウフィッツィ美術館の方向に向かって歩く。
ドゥオモ
ウフィッツィ美術館の前の広場は、ヴェッキオ宮というかつてのメディチ家の宮殿にも隣接していて、そこにはミケランジェロ作の有名なダヴィデ像がある。もっとも保存のために本物は別の美術館に屋内陳列されており、目の前にあるのはレプリカではあるが・・・とにかく写真を撮るだけ撮って、美術館へ急ぐ。
ヴェッキオ宮
ウフィッツィ美術館は予約をしないとなかなか入場できない美術館で、36時間前までにインターネットなどで予約をしておくのがベストである。ただ今回私が予約をいれたところ、この日の予約枠は一杯で予約確認ができなかったことから朝一番に並んで入場することにしたのだ。
開館が8時15分だが、我々が美術館に到着した7時半にはすでに50人以上が前に並んでいた。近くの喫茶店からコーヒーとクロワッサンを買ってきて列に並びながら簡単な朝食をとる。この行列は開館の時間には200人近くになっていた。
いざ開館になると予約者が優先されるので、並んでいる一般見学客が無条件ですぐに入れるわけではない。実際に我々の3人後ろのところでいったん列は切られて、それより後の人はさらに待たされていた。まさに間一髪である。
入館してみると、思ったより大きな美術館ではない。そして中は驚くほど静かで余裕のある雰囲気が漂っている。内部は学校の廊下のように長い廊下があって、そこに彫刻が壁を背に陳列されていて、教室のようなドアから中にはいると絵画がみれるような構造になっている。
ルーブル美術館のミロのビーナスやモナリザのように見学者がひしめいているのとは正反対の風景である。ウフィツィ美術館は、見学客にこの豊かな雰囲気を味わってほしいためにあえて一定時間の入場者を限定しているのであろう。その結果として予約客がない人間は2時間以上外で待つことになってしまうのではあるが。
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