遥かなるトスカーナ、静かなるコートダジュール (24)
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コートダジュール・トスカーナ
街全体が美術館と化したようなこの街の石畳を足の裏に感じながら、ミケランジェロ作のピエタ像が収蔵されているというオペラ博物館に向かう。
ミケランジェロの作品だけが目当てだったのだが、ここには本来であればドゥオモにあるはずの彫刻群が多数陳列されていた。なるほど、だからドゥオモ内部はがらんとしていたわけね。
ピエタ:ミケランジェロ作
一般的には、かなり有名な大聖堂でもお金をとって拝観するということあまりしない。やはり大聖堂は神との対話の場所であり、富める者にも貧しい者にも等しく開放するものという建前があるからだと推察する。私の知る限りではお金を払わないと入れない大聖堂というとイギリスのソールズベリー大聖堂とバルセロナのサグラダ・ファミリア教会くらいだ。もっともサグラダ・ファミリア教会は建設中ということで神様がまだいないから有料でもかまわないのかもしれない。
そうなると観光客からお金を巻き上げるには、別途博物館を設けてそこに宝物を収蔵するという方法はたしかに有効だ。イタリア人もうまいこと考えたものだ。
日がだいぶ傾いてきたが、まだ夕食には早い。メロレンツォメディチ図書館前の広場の露店を物色する。
ダヴィデ像の局部をアップにした図柄のブリーフやらエプロンがやたらと目につく。こういうのがイタリア的ユーモアなのだろうか。こういう性的なものを露骨にだすセンスにはちょっとひいてしまう。
スリにとっては格好のフィッシングポイントとなる混雑した市場で突然、怒号が響き渡る。地元のイタリア人らしい男性が黒人に対して罵声を浴びせている。ここでは昔から商売をしている地元のイタリア人と新興勢力である不法移民黒人勢力が摩擦をおこしているようである。くわばらくわばら。
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