遥かなるトスカーナ、静かなるコートダジュール (30)
ラベル:
コートダジュール・トスカーナ
最終日 月曜日
最終日の朝は晴れ。これからバルセロナの我が家へ帰る道なのであるが、カンヌより50km離れたサントロペ(Saint Tropez)に立ち寄ってから帰ることにした。サントロペこれもまた予備知識がまったくないのだが、昔どこかの絵描きがサントロペをモチーフにした絵を描いていたようなという曖昧な記憶だけが頭の片隅に残っていた。
カンヌからA8高速道路にいったんもどり、そこから3番目くらいの出口をでるとサントロペ行きの標識が見える。それをたよりに進んでいくのであるが、実はサントロペまでの道のりは意外に遠かった。小高い丘をうねうねと上がっては下るような道路が続く。そしてここでは、これまでよりもより多くのサイクラーたちを見かけることになる。
スペインもそうだが、フランスはサイクリングが「やる」スポーツとして非常に人気の高いスポーツだ。
休暇にもなると、まさに老若男女が思い思いのハデなジャージとヘルメット、横に長いサングラスをして、よくもまあこんな坂道をという道で自転車をこいでいく。あるものはハードボイルドに一人きりで、あるものは団体で和気あいあいとペダルをこぐ。
丘陵地を抜けてようやく海岸沿いの道にでる。
道路標識にはサンマキシム(Saint Maxime)と書いてある。標識の導くままに車を進めていくと、左手に海、右手にコケティッシュな店が立ち並ぶ小さなリゾート地にでる。運転している家内は今朝ホテルをでたときから「おいしいパンを食べたい」とのたまっていたので、パン屋を探すのに必死である。
たのむから前向いて運転してくれ。
結局パン屋はあったが、駐車するスペースが簡単にみつからないことから、私はサントロペに着いたらゆっくり食べようと提案。朝食を食べていないので、家内はかなり不満を示すが、結局はサントロペに車をすすめることにした。
ところが、海が見えるところまで来たのだからもう少しでサントロペかと思いきや、なかなか到着しない。それもそのはず、あとで地図を確認したら、サントロペはサントロペ湾をはさんでサンマキシムと反対側に位置する街だったのだ。つまり陸地をぐるっと回りこむような場所にあるんですね。
ここで家内の機嫌がまたもや悪くなってくる。お腹がへると機嫌が悪くなるのは私の悪い癖だったのだが、長い結婚生活の中で家内にまで伝染してしまったようだ。
教訓:悪しきものは伝染する。
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